研究課題
ヒト初期発生の研究は、研究材料となるヒト胚子標本の新規取得が極めて困難なことから、現有する胚子コレクションの維持および活用が重要な課題である。Blechschmidt Collection(ドイツ、ゲッティンゲン大学)はヒト胚子世界3大コレクションの1つであるが、予算が十分でなく活用がなされていない。今回、Blechschmidt Collectionの恒久的な保持と将来的な研究利用をめざして、現地に所蔵される組織切片データおよび三次元立体モデルのデジタル化を行う。デジタル化した情報は応募者らが実際に研究に用いて、既存のデータを補完することでヒト初期発生の詳細な時間軸の解明に寄与する。また、画像データを体系的にデータベース化し研究利用や教育、社会活動に提供しやすい形にすることで、全人類の共有財産となる本研究課題の意義は大きい。2016年12月5日から16日、2017年1月12日から27日の2回延べ4週間、山田他 4名がドイツ、ゲッチンゲン大学に滞在し硝子標本の低倍スキャンを行った。デジタル化に成功した個体は51例、総数11512枚であった。同時に、研究室で行っている胎児研究の参考になる組織切片について、上記スキャンとは別に顕微鏡写真を撮像した。具体的には胎児(CRL=64mm) の矢状面の切片で大腿骨、聴覚器の組織像を撮像し、われわれが撮像している同時期のMRI、実験動物由来標本と比較を行った。また、すでに低倍スキャンの撮像を終えた個体のうちCRL30-40mmの胎児複数個体について頭蓋内の血管(Willis輪)の発生について観察を行い、われわれの持つ標本との比較を行った。高解像度の組織標本を撮像できるバーチャルスライド撮像装置(Zeiss Axioscan)を用いて硝子標本のスキャンを継続して行っており、スキャンした個体は37例、総数2337枚に達した。
1: 当初の計画以上に進展している
初年度の成果についての論文作成が終了し、投稿の段階に達している。
最終年度になるので、データの公開を積極的に推進する。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 2件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (37件) (うち国際学会 10件、 招待講演 2件)
PlosOne
巻: 12(4) ページ: 印刷中
10.1371/journal.pone.0173852
Anat Rec
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1002/ar.23588
日本遺伝カウンセリング学会誌
Neural Plasticity,
巻: 2,016 ページ: 5282957
10.1155/2016/5282957
Congenit Anom (Kyoto)
巻: 57 ページ: 8-14
10.1111/cga.12179
J Hum Gen
巻: 61(10) ページ: 879-884
10.1038/jhg.2016.67
Anat Rec (Hoboken)
巻: 299(10) ページ: 1325-37
10.1002/ar.23457
Plast Reconstr Surg Glob Open
巻: 29;4(9) ページ: e1044
10.1097/GOX.0000000000001044
巻: 56(5) ページ: 233-6
10.1111/cga.12165
AJNR Am J Neuroradiol
巻: 37(8) ページ: 1523-7
10.3174/ajnr.A4808
Scientific Reports
巻: 15;6 ページ: 27,893
10.1038/srep27893
NeuroRehabilitation.
巻: 6;38(4) ページ: 351-7
10.3233/NRE-161326
Somatosens Mot Res.
巻: 18 ページ: 1-7
10.1080/08990220.2016.1178636
巻: 56(3) ページ: 112-8
10.1111/cga.12148
Prenat Diagn
巻: 36(4) ページ: 338-45
10.1002/pd.4786
巻: 299(4) ページ: 439-49
10.1002/ar.23314
信学技報
巻: 116,no.393,MI2016-71 ページ: 1-6