トキソプラズマは、ヒトでは免疫不全者で脳症や肺炎などを主症状とする致死的な後天性トキソプラズマ症を引き起こす寄生虫である。さらに妊婦が初感染すると胎児がトキソプラズマに感染し流産あるいは感染したまま産まれ、先天性トキソプラズマ症も引き起こしす。この病原体は、ヒトにおいては世界人口の約3分の1が感染しているといわれ、我が国でも感染している人は少なくない。アジアにおけるトキソプラズマは、研究が進んでいる欧米各国のトキソプラズマに比べてよく分かっていない。本研究ではアジアの中で比較的トキソプラズマのフィールド研究が進んでいる中国の研究者とともに、中国株の病原性及びゲノム情報を明らかにした。
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