研究課題
マラリアは、熱帯地域において猛威をふるっているが、最近の対策の強化により世界的なマラリア死亡者数は減少傾向に転じた(WHO)。そこで、アジア太平洋地域の流行国においては、マラリアエリミネーション(除去)を目指した施策が検討されている。これまでに申請者は、これらの地域で流行している熱帯熱及び三日熱マラリア原虫のゲノムワイドなプロテインアレイ、及びそれを用いた高速免疫スクリーニング技術を確立した。本研究では、熱帯熱マラリア及び三日熱マラリアが流行しているタイにおいて患者の追跡研究を実施し、マラリア流行ホットスポットの検出に必須なサーベイランス用抗原タンパク質をシステマティックに探索する。この抗原を同定することが出来れば、ディップスティック等、現場で使用可能なキットの開発が加速でき、流行国のマラリアエリミネーションプログラムに大きく貢献できる。平成27年度は、タイ北西部のマラリア診療所においてマラリア患者血清の経時的採取を開始したが、大部分が三日熱マラリア原虫患者であった。したがって、研究の焦点を先ず三日熱マラリアに当てることとし、300種類もの三日熱マラリア原虫タンパク質からなるハイスループット免疫スクリーニング用プロテインアレイの合成を終了した。
2: おおむね順調に進展している
タイ北西部のフィールドの実情に合わせて、三日熱マラリアに焦点を当て、患者血清の採取ならびに三日熱マラリア原虫のプロテインアレイの準備が完了したため、当初の計画通り研究は進捗していると考えられる。
症例数を十分に確保するため、引き続き患者血清の採取を続けると共に、三日熱マラリアサーベイランス用抗原の免疫スクリーニングを開始する。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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