研究課題
研究目的:マラリアは、熱帯地域において猛威をふるっているが、最近の対策の強化により世界的なマラリア死亡者数は減少傾向に転じた(WHO)。そこで、アジア太平洋地域の流行国においては、マラリアエリミネーションを目指した施策が検討されている。これまでに申請者は、これらの地域で流行している熱帯熱及び三日熱マラリア原虫のゲノムワイドなプロテインアレイ、及びそれを用いた高速免疫スクリーニングシステムを確立した。本研究では、熱帯熱マラリア及び三日熱マラリアが流行しているタイにおいて患者の追跡研究を実施し、マラリア流行ホットスポットの検出に必須なサーベイランス用抗原タンパク質をシステマティックに探索する。この抗原を同定することが出来れば、ディップスティック等、現場で使用可能なキットの開発が加速でき、流行国のマラリアエリミネーションプログラムに大きく貢献できる。平成28年度の研究計画及び実績概要:1.タイ北西部のマラリア診療所において、三日熱マラリア患者合計32名の三日熱マラリア患者を治療後9ヶ月間フォローし、経時的な血清サンプルが入手できた。なお、この観察期間中に、対象者に再感染及び三日熱マラリアの再発は起こっていないことは確認済みである。2.平成27年度に作製した307種類の三日熱マラリア原虫タンパク質アレイと、治療後0,3,6,9ヶ月目の上記血清サンプルを高速免疫スクリーニングシステムを用いて抗体価の変動を測定した。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、三日熱マラリア患者血清の経時的サンプリング、ならびにそれを用いた307種類もの三日熱マラリア原虫組換えタンパク質に対する抗体価の測定は完了した。
平成29年度は、各三日熱マラリア原虫タンパク質に対する抗体価の変動をから抗体の半減期データを解析し、ホットスポットサーベイランスに適した抗原を同定する。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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http://www.pros.ehime-u.ac.jp/malaria/