研究課題
2年間のコホート調査研究により、ハイリスク集団と考えられたレイテ島(サン・ビンセント、サン・アントニオ地区)のインフォームドコンセントが得られた110名の対象者に便中虫卵検査、血中抗虫卵抗体検査、腹部超音波検査を行った。腹部超音波検査結果から、肝臓の肝線維化症の重症度により以下の3グループに分類した。1)正常または、タイプ0:肝臓に病変を認めず、門脈の肥厚化も認められない。2)軽度肝線維化、またはタイプ1,2:肝臓に線状または管状の病変を認め、門脈のわずかな肥厚化(6mm)を認める。3)線維化症または、タイプ3:顕著なエコジェネティックバンドによる隔壁により、3個以上の幾何学ブロックが形成される。対象者に対し追跡調査を行い、最終的に75名の対象者に対し、血中肝線維化マーカー、血清中miRNAの発現動態、特徴的なサイトカインの動態が認められるかについて解析を行った。この結果、対象患者血中のmiRNA-150-5pは正常患者で肝線維化症患者に比較して有意に発現量が増加し、miRNA-93-5pは、有意に低下していた。miRNA-146a、miRNA-122は有意な増減は認められなかった。12か月後の対象者においても、同様の傾向が認められた。また、肝線維化症に関わる生理活性物質として20種をテストしたが、血清中のヒアルロン酸レベルは正常患者で肝線維化症患者に比較して有意に高かった。しかし、肝線維化症に関わると報告されているマンノース結合レクチン(MBL)のレベルには、有意差が認められなかった。これらの結果から、肝線維化症マーカーとして、miRNA-150-5p、miRNA-93-5p、ヒアルロン酸などを用いる事の可能性が示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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