アジアの途上国におけるインフルエンザの疾病負荷は先進国と比べて同等であるが、その流行像(特に季節性)は大きく違っている。本研究ではフィリピンとモンゴルという2つの地域におけるインフルエンザの疫学研究を実施した。フィリピンにおいて医療機関への受診行動を踏まえた罹患率の算出を試みて最大3倍まで増加することを明らかにした。またモンゴルではウランバートル郊外区でフィールド調査を行い、インフルエンザによる入院児では呼吸回数や経費的動脈血酸素飽和度よりも頻脈の発生頻度が有意に高いことが明らかとなった。また外来を受診したインフルエンザ罹患児では1-4歳が最も多く、学童での罹患率が低いことが明らかとなった。
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