研究課題
ケニアにおけるロタウイルスワクチン導入について下痢症患者由来のロタウイルス株の変異の実相解明を行うためにウイルス株のジェノタイプを行い、同時にロタウイルス感染モードの解明を行うことが本研究の目的である。ナイロビ近郊のキアンブカウンテイー病院およびビクトリア湖畔のビタ地区のビタサブカウンテイーに下痢症で入院した小児を対象として疫学調査を行った。下痢症の患者検体から検出されたロタウイルスの検出率は2地域では異なるものの、ケニアで実施されているロタウイルスワクチンによる下痢症発症の減少効果はそれぞれの地域でほぼ50%弱であり、接種後に出現したジェノタイプはG2P4が優勢で、2地域おいても同様の結果であった。ロタウイルスの感染ルートを解明する目的で、キアンブ地区で金属メッシュデバイスを用いて補足した空気検体からロタウイルス粒子の検出をPCR法で行った。バッファー条件や土壌に含まれるPCR反応阻害物質の抑制条件を検討し、VP4、VP7の遺伝子をsemi-nested PCRで検出した結果、4ミクロン程度の比較的大きなサイズのメッシュを用いると、291検体中、18検体の検出が可能であった。このことからケニアで補足した空気検体からかなりのロタウイルス粒子が検出されることが明らかとなり、空気を介した感染を示唆する結果であった。現在さらに検出条件などの要因を加味した分析を行っている。さらにロタウイルスによる下痢症の季節的、気候的変化に関する分析を行い、感染モードの解明に迫っている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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