研究課題
現在、H5N1鳥インフルエンザウイルスは、アジア・中近東地域で鳥類における感染流行域を獲得している。繰り返される感染伝播によって変異が誘導され、H5N1由来パンデミックが発生する可能性が指摘されている。特にエジプトは、2009年以降、全世界の67%のヒト感染例が報告される特異な地域である。そのため、エジプトの家禽で蔓延するH5N1ウイルスの進化動態を詳細に把握すると共にウイルスのヒト適応性獲得の推移やパンデミック化潜在性を先行的に評価することが緊要である。本年度は、前年度に実施した疫学調査とレセプター糖鎖結合特異性鑑別キットを用いたシアロ糖鎖結合特異性のスクリーニング解析の結果を踏まえて、エジプトで流行しているH5N1ウイルスとH9N2ウイルスの進化動態を解析した。その結果、現地で流行しているH5N1ウイルスのヒトに対する感染性が2013年を契機により高く変化していることが明らかとなった。また、H9N2ウイルスにおいては、継続的な家禽における伝播過程でNAに欠損がある変異株が初めて分離され、当該ウイルスの多様化が検知された。以上の調査結果より、引き続きエジプトにおいて鳥インフルエンザウイルスの進化動態をモニタリングすることで、ヒトにさらに適応性を高めた変異ウイルスや新型ウイルスが出現するリスクを評価する必要性が提起された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 6件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
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