研究課題/領域番号 |
15H05305
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安積 卓也 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40582036)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 計算機システム / ソフトウェア開発効率化・安定化 / ソフトウェア工学 / 制御工学 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、申請者がこれまで行ってきた研究(TECS:TOPPERS Embedded Component System)を出発点として、スクリプト言語(mruby)の利点を取り入れることで、動作検証プロタイプのための、組込みソフトウェア開発基盤を構築する。 平成29年度は、リアルタイムOS上の通信ミドルウェアとmrubyの連携を行った。これまでに申請者はmrubyのスクリプトプログラムから組込み機器やリアルタイムOSの機能を呼び出す機構を研究開発行ってきた。しかし、ネットワーク・クラウド連携のため、リアルタイムOS上の通信ミドルウェアとの連携は今後の課題となっていた。リアルタイムOS上で動作する通信ミドルウェアを、mrubyプログラムから利用できるようにするために、mrubyのライブラリとして通信ミドルウェアを提供できる仕組みの研究開発を行った。具体的にはリアルタイムOSのTCP/IPプロトコルスタックであるTINET(通信ミドルウェア)をTECSコンポーネントで部品化を行った。さらに、コンポーネントベース開発の特長を活かし、通信ミドルウェアをカスタマイズできる仕組み(最低限必要な機能に絞って通信ミドルウェアを構築)を導入する。この仕組みを利用することにより、IoT(Internet of Things)機器などメモリ制約のある機器への適用ができると考えている。さらに、部品化を行った通信ミドルウェアコンポーネント(部品)をmrubyプログラムから呼び出せる仕組みを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたリアルタイムOS上の通信ミドルウェアとスクリプト言語との連携の研究開発が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度に引き続きリアルタイムOS上の通信ミドルウェアとmrubyの連携を行う予定である。これまでに申請者はmrubyのスクリプトプログラムから組込み機器やリアルタイムOSの機能を呼び出す機構を研究開発行ってきた。ネットワーク・クラウド連携のため、リアルタイムOS上の通信ミドルウェアとの連携を平成29年度から開始している。リアルタイムOS上で動作する通信ミドルウェアを、mrubyプログラムから利用できるようにするために、mrubyのライブラリとして通信ミドルウェアを提供できる仕組みを引き続き研究開発を進める。さらに、本年度は、メモリの管理を行うためのメモリアロケータをコンポーネントとして扱える仕組みを提案する。提案メモリアロケータを利用することで、IoTプログラム間で干渉が起きず、優先すべき処理を正しく行えるようになることが期待される。その他、開発環境および、コンポーネントベース開発おけるデバック環境構築を目指した、コンポーネントの内部情報を取得する機構を行う。
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