研究課題/領域番号 |
15H05306
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
亀井 靖高 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (10610222)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | モバイルアプリ / ソフトウェア信頼性 / バグ予測 / オープンソースソフトウェア |
研究実績の概要 |
本応募では,クリーンで,かつグリーンなMobile App社会の実現に向け,リポジトリマイニング基盤の開発と,その成果を用いたMobile Appコードの自動進化技術を提案する.その実現に向けて,本年度は主に (1) バグ混入予測モデルに用いる特徴量の開発・計測,(2) モデリング技術の改善,(3) 修正パターンマイニングについて研究を行った.(1)のバグ予測混入予測モデルに用いる特徴量の開発・計測では,20種類のメトリクス(コミットの行数や,コミットログの複雑さ)を定義し,計測した.オープンソースとして公開されているMobile Appのプロジェクトを用いて,定義したメトリクスがMobile Appのクラッシュとどの程度関連しているかを実証的に評価した.その結果,本メトリクスを用いることで,単純に予測する場合と比べて,AUC (Area Under the Receiver Operating Characteristic Curve)が約28%改善できることがわかった.(2)のモデリング技術の改善のため,モデル構築に用いるデータの分割方法を調査した(例えば,当該プロジェクトの全コミット履歴を用いるのがよいのか?それとも3/6ヶ月前までのコミット履歴に絞るのがよいのか?).実験結果の1つとして,(a) 一年以上前のデータを用いたモデルでは,予測精度が大幅に低下すること,(b) 6ヶ月分のコミット履歴を用いる方が予測結果が(3ヶ月分のコミット履歴よりも)安定することがわかった.(3)では, Androidソフトウェア開発におけるコードの手戻りの発生パターンを分析した.実務者による分類,及び,インタビュー等を経て,最終的に13種類の手戻りの発生パターンを発見し,手戻りの発生パターンを体系立てることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度と同様,平成28年度の研究計画・方法に記載した「研究の目的」をおおむね達成できており,その成果の一部を活かした研究内容が論文誌,および,国際会議にも採録された.さらに,その成果を発展させ,論文誌や国際会議に投稿している段階であるので,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,研究テーマを推進するために,今後も国内外の研究会に積極的に参加し,多面的に意見を取り入れることで問題の早期解決を目指す.さらに,研究協力者と隔週で一度程度のテレビ会議システムを用いた進捗報告,及び,意見交換を行う予定である.
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