研究課題/領域番号 |
15H05307
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西山 大樹 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90532169)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | モバイルネットワーク / 次世代ネットワーク / ネットワーク融合 / 光通信 / 無線通信 |
研究実績の概要 |
本研究には2つのフェーズがある.フェーズⅠでは,必要となる制御理論について検討し,その理論を適用するために必要となる制御機構を設計する.続いて,その制御機構を利用して実際に通信制御を可能にするための制御方式の基礎を確立する.理論検討・制御機構設計・制御方式検討は,高性能計算機による理論モデル解析とネットワークシミュレーションによる評価を基本手法として実施する.フェーズⅡでは,フェーズⅠで確立した基礎制御方式の高度化と,システムとして最適化するために必要となる技術について研究を実施する.高度化と最適化の過程において必須となる課題分析・技術改良のための実験は,専用の実験用システムを構築して実施する.なお,各フェーズは互いに独立しているわけではなく,高度化や最適化の局面においても必要に応じて理論や制御機構の再構築を行うなど,柔軟に実施する. 本年度はフェーズⅠに当たり,理論検討・制御機構設計を主として行った.まず,システム全体の最適状態を考慮した制御理論について検討した.その際,申請者がこれまでに実施した様々なネットワークにおける制御技術に関する研究成果や知見を活かすことにより,効率良く実施することが可能であった.次に,検討した理論を適用し,理論的最適状態を実現可能な制御機構の構築を行った.光と無線ネットワークの各特長を基にネットワーク全体最適を考慮することでネットワークにおける最適状態の構築を実施した.その際の性能評価は,数値解析によって行った.この研究の成果は当該分野の専門家にも評価されており,世界で影響力のあるIEEEのTransactionに採録された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,当初の計画通り,理論検討・制御機構設計を行った.次年度の研究に関しても検討を進めており,本研究はおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は平成27年度と同様にフェーズⅠに当たり,理論検討・制御機構設計を主として行う.システム全体の最適状態を考慮した制御理論についての検討と検討した理論を適用し,理論的最適状態を実現可能な制御機構の構築を目指す.ここではフェーズⅡに向けて光と無線ネットワークの各特長を基にネットワーク全体最適を考慮することで超密度状態における最適状態の構築を行う.その際の性能評価は,ネットワークシミュレーションを用いた実験によって行う. 提案手法をネットワークシミュレータに実装する際のプログラミング等の作業,パラメータや環境設定を変更して繰り返し行う実験の補助並びに,実験データの整理などでは,大学院生等を動員する.また,各種学会等での研究成果の発表資料や,論文誌等へ投稿する原稿等の作成も大学院生と共同で行う.
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