研究実績の概要 |
ヒトの多様な知覚・認知機能を司る脳内情報表現の定量的理解を推進するため、動画視聴下を含む各種タスク下におけるヒト脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて記録した(実験にあたっては、その内容について事前説明の上で書面同意を得られた被験者を対象とした。また得られたデータは匿名化して保管する等、プライバシーと個人情報保護を遵守した)。またこれらと各時刻における刺激・タスク条件の特徴を表す各種アノテーション(タグ付け)との関連について多変量解析手法によってモデル化した。得られたモデルを解析することで、知覚・認知を司る脳内情報表現空間の定量、その大脳皮質における寄与分布の同定と個人間比較、および脳活動からの体験内容のデコーディング技術の開発等を行った。特に、お茶の水女子大学および産業技術総合開発機構との共同研究によってヒト脳活動から知覚内容を文章として解読することに初めて成功した(Matsuo et al., 2016 ACL SRWにて発表)。 これらにより、平成28年度中の関連実績として4件の論文発表(Cukur et al., 2016 The Journal of Neuroscience; Huth et al., 2016 Frontiers in Systems Neuroscience; Nishimoto and Nishida 2016 Trends in Cognitive Sciences; Nishimoto et al., 2017 Journal of Vision)を行った。またオランダ・Radboud UniversityおよびUniversity of Amsterdamにおける国際招待講演を含む多数の招待講演および学会発表等を行った。これらの成果はNHK、PC Watch、日刊工業新聞等の各種マスメディアでも報道された。
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