研究実績の概要 |
多様な知覚・認知脳機能の定量的な理解を目指し、昨年度に引き続き視聴覚刺激や各種認知タスク条件下における脳神経活動計測実験(ヒトfMRI記録)を行った。なお実験にあたってはその内容について説明の上で書面による参加の事前同意を得た被験者を対象とした。また得られたデータは匿名化して保管する等、個人情報とプライバシー保護を遵守した。記録と刺激・タスク条件に関するアノテーションを用いた多変量解析を行うことで、脳活動予測モデルを構築した。これにより、個別の脳に関する意味空間および認知空間の定量と可視化、その皮質・皮質下における機能的寄与分布の同定、およびデコーディング技術の開発を行った。これらにより、ヒトの主観的な体験内容を約1万語の単語の形で解読する脳情報デコーディング技術の開発等に成功した。更に映像知覚の個人差とデコーディング結果の個人差に有意な相関があることを解明した。またこれらの脳機能面から定量された個人差とアンケート等で得られた個人特性の関連性を定量した。 上記の研究およびこれまでの関連成果によって、当該年度は査読付き原著論文2本(Nishida and Nishimoto 2017, NeuroImage, in press; Ikezoe et al., 2018 NeuroImage, in press)、解説論文2本(西本 2018 情報処理; 西田&西本 2017 人工知能)、また各種招待講演(英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、中国神経科学大会(天津)における国際招待講演を含む)等の成果を得た。また得られた成果は朝日新聞、マイナビニュース、米国Digital Trends、韓国EBS等の国内外のマスメディアでも取り上げられた。
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