人間の言葉を理解し,推論する計算機の実現には,常識的な知識を計算機が蓄積・活用する機構が不可欠である.このような枠組みで知的な処理を実現するには、大規模な知識ベースの獲得,テキストと知識ベースのグランディング,推論という3つの課題がある.本研究では,知識ベースの事例にグラウンドされたコーパスを構築した.関係パタンを知識ベースにグランディングするため,関係パタンの項となりうる名詞の意味表現(分散表現)に基づき,構成的意味論に基づく新しい意味計算モデルと曖昧性解消の手法を考案した.これらの研究成果は,単体での性能評価に加え,質問応答や賛否分類などの言語処理の実タスクに応用し,その効果を実証した.
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