本年度は,組み立て式の超音波検査ロボットにおける校正手法として校正用ファントムを用いた位置決め評価を推進し,さらに実際の血管壁特性検査に向けて,計測領域よりも上流にあるプラークの影響を評価するための流体シミュレーションの解析,流速時系列をカフ圧の関数として評価する手法の評価を行った.以下にそれぞれについて述べる. 昨年度製作したファントムは非等間隔で複数のワイヤを張り巡らせた構成となっている.ファントムを用いて各軸の位置と回転角度の評価を行った結果,最終的に位置に関してはx軸方向の位置決め誤差が最も悪く,角度に関してはz軸まわりの誤差が最も悪かったが,一般的な血管径の評価は可能であることを示した.さらに,より精度を向上させるためにロボットとファントムの間の幾何学的な要因の影響について考察を行った. 実際の血管評価試験においては,観測している血管よりも上流にプラークが存在するかどうかを評価できることが望ましい.そこで流体シミュレーションによって,血流速の時系列と観測領域よりも上流にプラークを模した構造がある場合の数値計算を行い,下流での血流解析を行った.その結果,観測血管よりも上流にあるプラークの検出可能性を示すことができた. さらに,実際の検査に向けて上腕にカフを巻いて異なる圧力での駆血と解放を繰り返し行う実験から,流速時系列の解析を行なった.そして平均血流時系列をカフ圧の関数として評価する手法を提案し妥当性評価を行った.
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