本研究課題では、多階層のオミクスデータをベイズ的アプローチにより統合し、予測精度の高い階層横断的な代謝流束ネットワークを推定することにより、細胞内代謝シフトを解析、統合、理解するための方法論を開発する。また、代謝異常やがんにおけるエネルギー代謝のリプログラミングや薬剤抵抗性のメカニズム解明、疾病診断、各種疾患マーカーの探索などへの応用を試みる。シミュレーションデータおよび実データに本解析手法を適用した結果、以下のような成果を得た。(1)過酷な環境においてがんが生き延びるための代謝シフトを解明し、(2)酸性環境における腫瘍の悪性化にコレステロール代謝制御タンパク質が寄与することを発見した。
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