• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

インドネシア通過流の表層環境が気候システムおよびサンゴ礁環境に及ぼす影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 15H05329
研究機関岡山大学

研究代表者

井上 麻夕里  岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (20451891)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードインドネシア多島海 / サンゴ骨格 / pH
研究実績の概要

今年度はこれまで高時間分解能でSr/Ca比および酸素同位体比の分析を進めてきたジャワ海に位置するセリブ諸島のサンゴ骨格試料について、pHの指標とされているU/Ca比を同じ時間分解能で分析を行った。U/Ca比はpHと共に海水温の影響も受けて変動するため、Sr/Ca比とU/Ca比の両者を用いて、その変動差を検出することで、海水温以外、つまりpHの影響を評価した。その結果、1970年代頃まではU/Ca比がSr/Ca比とほぼ同様な変動を示していたが、1970年代以降、pHが低くなる傾向を示した。その後1990年代以降は再びSr/Ca比と同程度の変動となった。ここで、海水の溶存無機炭素の変化の指標にもなる炭素同位体比の結果を見てみると、1970年代以降に化石燃料の大気への放出および海洋表層への溶解を反映した炭素同位体比の低下(Suess効果)が見られている。このことから、化石燃料の影響で海水がわずかに酸性化し、pHが低下した影響をサンゴ骨格中のU/Ca比は捉えている可能性が示唆された。その後の1990年代のU/Ca比の低下(pHの上昇)は、サンゴ自身が体内のpHを調節したことによるものと考えられ、数十年という短い時間スケールでも酸性化に対してサンゴが適応しようとしていることが推察される。
また、新たにブナケンとバリ島のサンゴ試料について、UVライト照射による蛍光バンドの観察も行った。その結果、バリ島のサンゴ試料には、複数の洪水の影響と思われる蛍光バンドが認められたが、ブナケンにはほとんど認められなかった。年輪の観察からも両者の成長バンドには違いが見られるので、同じインドネシア多島海においても、異なる海洋環境に生息していたと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] インドネシア原子力庁(BATAN)(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      インドネシア原子力庁(BATAN)
  • [雑誌論文] A simple role of coral-algal symbiosis in coral calcification based on multiple geochemical tracers2018

    • 著者名/発表者名
      Inoue Mayuri、Nakamura Takashi、Tanaka Yasuaki、Suzuki Atsushi、Yokoyama Yusuke、Kawahata Hodaka、Sakai Kazuhiko、Gussone Nikolaus
    • 雑誌名

      Geochimica et Cosmochimica Acta

      巻: 235 ページ: 76~88

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.gca.2018.05.016

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] サンゴ骨格中のSr/Ca比とδ18Oを用いたジャワ海の表層海水温と塩分の復元2018

    • 著者名/発表者名
      源田亜衣、鈴木淳、石村豊穂、池原実、井上麻夕里
    • 学会等名
      2018年度日本地球惑星科学連合

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi