研究課題/領域番号 |
15H05339
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境リスク制御・評価
|
研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大久保 努 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (60581519)
|
研究協力者 |
上村 繁樹
安井 宣仁
井口 晃教
Tawfik Ahmed
Tyagi Vinay Kumar
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 下水処理水の灌漑利用 / 水系感染リスク / 社会工学的評価 |
研究成果の概要 |
淡水資源の枯渇が著しい開発途上国の乾燥地域では未処理下水を含む排水路の水を農業利用している現状があり、農業従事者は下水に直接的に接触するため健康へのリスクが増加する。定期的にエジプトの西ナイルデルタで採水した灌漑水のウイルス9種をリアルタイムPCRにより定量し汚染状況を把握したところ、調査対象のうちDishody排水路は汚染が著しく、灌漑への利用は水系感染リスク及び障害調整生命年より高いリスクを伴うことが示された。今後も持続的な灌漑利用をするには周辺都市から排出される下水を適切に処理することでリスクを低減する必要がある。
|
自由記述の分野 |
衛生工学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界人口の増加により一人当りが使用可能な淡水資源量が減少する中、下水の灌漑利用が今後も世界的に増えていくと予想される。しかしながら下水には病原性微生物やウイルスなど、人の健康に直結する危険因子が含まれており、安全を担保した上での利用が求められる。本研究では、下水灌漑を行っている諸外国において汚染の実態調査を行い、現地で栽培されている農作物から農業従事者が農作業中に汚水を誤飲する量と頻度を設定し、人に対する健康影響を評価した。また、健康リスクを低減するにはそれら危険因子を減らす必要があり、現地に適用可能な下水処理方式を、消費電力とウイルス除去性能の両方を加味した上で比較評価し提言した。
|