本研究では,内発的動機の重要な要因であるフロー状態の喚起によって学習者を支援する手法を開発するにあたって,重要な研究要素となるフロー状態の客観的指標化方法の確立とその応用を目的とした研究を行った。認知的課題(暗算課題)を対象として,主観的なフロー状態とそれ以外の状態(退屈・過負荷)に対応する脳波の特徴を検討したところ,前頭部のθ波と前頭-中心部のα波の組み合わせによってフロー状態が特定できる可能性が示された。また、見いだされた指標を他の活動の種類に展開して検証するプロセスの基礎的検討を進め,フローを体験しやすい個人の特性の解明,認知課題と知覚運動課題を二重に設定できる実験課題の作成を進めた。
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