本研究では、種々の光学・力学計測技術や機能性材料を用いて、がん細胞の接着界面構造や力学特性を定量計測し、がん細胞のダイナミックな接着制御プロセスを定量理解することを目的とした。具体的には主要な研究成果として以下の2つを得た。(1)がん細胞の接着性を定量評価可能な実験システムを構築し、がん細胞の転移能の評価や薬剤スクリーニングが可能であることを示した。(2)がん転移抑制効果のある緑茶カテキンが、物理吸着により細胞膜を数十倍程度硬化させることを発見し、力学的見地からの新しいがん転移抑制メカニズムを見出した。
|