研究課題
両側の大脳皮質運動野に対して経頭蓋直流電気刺激(tDCS)と両手指鏡像動作を行うニューロフィードバック介入を,手指に局所性ジストニアを罹患したピアニスト10名に対して経日実施し,前後で手指の巧緻運動機能を評価した.その結果,指の持ち上げ動作に関する巧緻機能の向上が,経日実施に伴い認められた.以上の結果から,tDCSを用いたニューロリハビリテーションは,音楽家の手指の局所性ジストニアの巧緻機能向上に漸増的に寄与する可能性が示唆された.成果は現在論文にまとめており,投稿準備の最終段階である.また,局所性ジストニアを罹患したピアニストの手指巧緻運動機能の低下と大脳皮質運動野の興奮性の異常を,動作分析と経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて評価し,両者の関係を機械学習(LASSO回帰)により同定した研究成果をまとめた論文が,The Journal of Physiology誌に受理された.本研究では,運動野の抑制機能低下がが動作の正確性の低下と,興奮機能の亢進が動作の俊敏性の低下と関連しており,これは局所性ジストニア特有の現象で,技能水準とは関連しないことが明らかとなった.当該介入が,局所性ジストニアによる脳神経機能異常に及ぼす影響については,TMSの評価実験の解析結果およびデータグローブを用いた動作分析による巧緻運動評価の解析結果がほぼ揃っており,今後は統計処理を実施した後,学会発表および学術論文執筆を行う予定である.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Journal of Physiology
巻: (in press) ページ: in press
10.1113/JP275813
Modern Physician
巻: 37(6) ページ: 580-582
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