研究課題
本研究は脳卒中後の片麻痺に対するリハビリテーションに関して麻痺の改善に着目し,回復の経過,特にロボットを用いた訓練・介入による経過を明らかにすることを目的としている.当該年度では,脳卒中片麻痺で失語症や認知機能の低下の無い回復期病棟入院中の患者22名を対象とし,上肢のリーチング運動をアシストするロボットであるMIT-MANUSを持ちいたリハビリテーション介入を2週間(1日1時間×1週間に5日)行った.Fugl-Meyer assessment(FMA)のスコアを用いて麻痺の重症度を3群に分け,介入前後で比較したところ運動麻痺は改善する傾向がみられた.またFMAスコアよりも,MIT-MANUSの評価項目であるリーチ動作時のReach ErrorやPath Errorで大幅な改善がみられた.同時に,感覚障害(complete sensory loss)の影響を評価し,重度感覚障害の患者ではFMAのスコアおよび改善が感覚障害の無い患者群と同程度であったのに比しReach ErrorやPath Errorが相対的に低く改善も少ない傾向であった.つまり,感覚障害を発症した患者ではロボット・リハビリテーションによる麻痺改善効果が少ないことが示唆された.また研究遂行・患者選定時の脳損傷部位同定のプロセスにおいて,後方視的に200名以上の脳出血患者を対象とした運動麻痺評価検証と300名以上の脳出血患者を対象とした認知機能・日常生活活動評価検証を行った.被殻出血患者において,内包後脚へ血腫が進展したタイプでは発症時の出血量と退院時の運動麻痺が相関すること,入院時の認知機能低下(特にRaven's Colored Progressive Matrices testのスコア)と退院時の日常生活活動の関連が深いことを明らかにした.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases
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