本研究の初年度の前半は、ニューロイメージングの複雑なランダム性の数学モデルをヒトの運動解析へ適応し、提案の「Random body」方法のコア・プログラミングを終了した。初年度の後半には、開発したソフトを用いて、従来方法の理論的な問題点を明らかにし、新しく出来た Random body 理論でヒトの運動をさらに客観的に解析できることも明らかにした。海外の研究協力者と一緒に、スポーツ外傷やスポーツ動作の客観的な解析手法や客観性以外のメリットも明確にした。
28年度の前半は、ヒトの力学的解析(関節の力やモーメント等)に適応するために、初年度に開発したランダム性モデルを様々な物理シミュレーターに統合した。28年度の後半は、その統合的なシステムで様々な力学的なシミュレーションを行い、上記ランダム性モデルを使用したほうが、従来手法よりもヒトの力学的特徴をさらに客観的に解析できることを明確にした。そして、世界の研究者が開発したソフトウェアを自由に利用するために、ソフトウェアを無料のオープン・ソース・ソフトウェア・パッケージとして公開した。
本研究の期間中には、国内学会と国際学会で一つずつ口頭発表をした。本研究に関する論文を8件国際学術誌で公表した。国際学会では、上記ソフトウェアに関する招待ワークショップを3件できた。そして、イギリスのバス大学にて三日間の特別招待ワークショップも行った。それに現在上記力学的物理シミュレーターに統合したランダム性モデルのソフトウェア・システムができており、29年度の7月にはオーストラリアに行われる国際学会で本研究の最後の結果を発表する予定もある。その後、そのソフトウェア・システムもオープンソースパッケージとしてリリースする予定がある。
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