研究課題
本課題は、老化に伴う筋量低下とそれに伴う筋力や身体機能の低下を示す専門用語「サルコペニア」に関する研究である。現在の世界的なコンセンサスにおいては、二重X線エネルギー吸収法(DXA)や核磁気共鳴画像法(MRI)・X線CTなどの画像法を、サルコペニア診断における筋量測定の方法として推奨している。しかしながら、これらの方法は大型の装置が必要であり、多くの臨床現場、高齢者施設、介護予防現場などで、多数を迅速に計測するうえでは適さない。さらに、MRIやCTで全身の骨格筋量を評価するには、全身をスキャンして、全身のその他臓器から骨格筋を判別したうえでその体積を求める必要があり、そのコストは膨大になる。そのため、より実用的な方法が求められる。研究実施者は、従前より、部位別多周波生体電気インピーダンス法(MF-BIA)や、部位別多周波生体電気インピーダンス分光法(S-BIS)を用いた研究を行っている。今年度は、多数例のデータベースから、四肢骨格筋量を評価する推定式を新たに作成し、その妥当性を検討し、さらにサルコペニアのカットオフ値を求めることができた(論文発表済み)。また、海外共同研究機関先であるウィスコンシン大学との共同研究の成果が複数の論文として発表することができた。多数例のデータベースを利用した分析も可能になり、生体内骨格筋組織の電気特性について非侵襲的測定を行うことで、骨格筋量測定単独では不明な早期の筋組織変化についても明らかにすることができるようになった。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件)
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