本研究の目的は、中山間地域の住民を対象とした健康調査を実施し、抑うつ度とソーシャル・キャピタルの関係性を定量的に明らかにするとともに、それらの結果に基づき「ソーシャル・キャピタル調査ツール:超高齢社会版」を提案することである。 そうした中で本年度は、調査対象地域の選定、調査項目の確定、および調査準備について実施した。調査対象地域の選定については、次年度、隠岐の島町(離島地域)、および雲南市(都市近郊の中山間地域)において住民を対象とした健康調査を実施することとした。そして、調査日、及び調査会場等の詳細についても決定した。また、調査項目については、主たる調査対象者である高齢者の負担を考慮して、5分以内で実施することが可能となるよう限られたの質問項目により構成することとした。合わせて、調査対象となる自治体との打合せを複数回実施し、本調査への参加率の向上を図るための広報に関する調整、さらには調査方法について議論を行った。 上記の活動に加えて、生活習慣、地域要因と健康に関する解析を実施し、その成果については学術論文として発表を行った。以上の研究成果を通して、個人の健康が個人要因のみならず、居住している地域の特性にも影響を受けていることが明らかとなった。 以上の研究成果に基づき、次年度は、地域における健康調査を実施し、本研究課題の目的であるソーシャル・キャピタルと抑うつ度の解析に要するデータの構築と、その予備的解析を実施する予定である。
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