近年、青色光受容体であるPhototropin1のLOV2ドメインを利用して、様々な遺伝子コード型の光応答性分子が開発されてきており、細胞生物学の分野を中心として様々な分野での利用が進められている.そこで我々は、LOV2ドメインを用いて、光応答性キナーゼ阻害ペプチドの開発を行った.さらにこの分子を用いて、海馬神経細胞のシナプスにおいて、1分間程度のCaMKII活性化がシナプスの可塑的変化を惹起するのに十分であることを明らかにした.また、受動的回避テストを用いて、恐怖記憶形成には扁桃体での比較的短時間のCaMKII活性化が重要であり、持続的なCaMKIIの活性化は必要ないことを明らかにした.
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