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2017 年度 実績報告書

生理的欲求に応じて価値判断を調節する神経ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H05374
研究機関筑波大学

研究代表者

山田 洋  筑波大学, 医学医療系, 助教 (70453115)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード脳 / 価値判断 / 線条体
研究実績の概要

欲求の程度に応じて柔軟に行動を調整することは、ヒトを含む動物が備え持つ基本的で重要な脳の仕組みである。本研究は、この脳の仕組みを明らかとすることを目的に、平成27年度から平成29年度までの3年間で、研究の立ち上げから実験データの取得、解析を行った。平成29年度は、昨年度より続けていた実験データの取得を、計画に従って全て終了した。その後、取得したデータの解析を行い、重要な結論を得た。また、これまでに行った研究の成果を論文として報告した。以下に、その具体的な内容を記す。
本研究では、欲求が動物の行動と判断を調節する脳の仕組みを明らかとするために、価値判断を行っている実験動物から単一神経細胞活動を記録した。価値判断に中心的な役割を果たすと考えられている線条体から神経細胞活動データを記録した。神経生理学の研究では、マカクザルを最低2頭用いる必要があるため、2頭の動物の線条体から合計約400個の神経細胞活動を記録した。仮説に基いて欲求依存的な価値信号が観察されるかを検証するための解析を行った所、次の二つの結論を得た。
1.腹側線条体の活動は、背側線条体に比べて、短い潜時で強い価値の信号が観察された。
2.腹側線条体の活動が期待価値の信号を反映した一方で、背側線条体の活動は、期待価値を構成する報酬の確率や価値を別々に反映した。今後、学会発表を行い、結論をブラッシュアップすると共に、論文として成果を公表する。最後に、本年度は本研究計画に関連して進めてきた研究の論文を2本出版した。

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Free choice shapes normalized value signals in medial orbitofrontal cortex2018

    • 著者名/発表者名
      Yamada Hiroshi, Louie Kenway, Tymula Agnieszka, Glimcher Paul W.
    • 雑誌名

      Nat Commun.

      巻: 9 ページ: 162

    • DOI

      10.1038/s41467-017-02614-w

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Hunger enhances consistent economic choices in non-human primates2017

    • 著者名/発表者名
      Yamada Hiroshi
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 7 ページ: 2394

    • DOI

      10.1038/s41598-017-02417-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] サル線条体・ドーパミン細胞による特異的な長期的将来報酬表現2017

    • 著者名/発表者名
      榎本一紀、山田 洋、松本直幸、 井之川仁、 春野雅彦、木村實
    • 学会等名
      第7回社会神経科学研究会
  • [学会発表] ヒト判断機能の霊長類モデル動物の検討 ~サルの脳を調べる意義とは~2017

    • 著者名/発表者名
      山田洋
    • 学会等名
      第7回社会神経科学研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 神経経済学:ヒト判断機能の霊長類モデル動物を用いた研究2017

    • 著者名/発表者名
      山田洋
    • 学会等名
      第233回つくばブレインサイエンス・セミナー
    • 招待講演
  • [備考] 筑波大学 研究者総覧

    • URL

      http://trios.tsukuba.ac.jp/researcher/0000003502

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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