本研究は中世以降、日本各地に見られる染織技術がどのような伝播経路を辿りそれぞれの産地にもたらされたのか、そして産地に根付いた技法はいかなる材料や道具が用いられてきたのか、工程はどのように分業され 継承されていったのかに着目し研究を行った。 実地調査では、技術と材料、道具の関わりについて考察を行った。材料は滋賀県草津市の青花紙製作技術、道具は苧麻等の靭皮繊維による製作技術、絹糸の繰糸技術を対象とした。また、都道府県史(262冊)から染織関連項目の抽出を行い、特に技術交流の項目について整理を進めた。今後も、当該地域によって担っていた職掌なども考慮しながら残された課題を検討していきたい。
|