本研究では、CSRのマーケティング効果における消費者の心理的メカニズムとその文脈(価値観、業種、政策)による差を解明した。消費者データの分析結果として、社会的CSRの方が消費者行動に影響を与える一方で、環境的CSRの方がCSRの口コミに影響を与える。CSRの影響力は、社会的価値観が強い消費者ほど、また企業の非責任の事件の後ほど強まり、CSRを促す政府の政策により弱まる。また、顧客が企業以外の情報源から得る、CSR活動情報は企業イメージに正の影響を与える一方で、企業が直接発信する情報は負の影響を与える。さらに、CSR活動が主に企業の親近感及び便益、ステータスの企業イメージには影響を及ぼす。
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