研究実績の概要 |
2015年10月から2016年1月にかけて「学校生活と将来に関する親子継続調査」(JLPS-J)を行った.本調査は,(1)中学3年から高校2年までの生徒の教育期待,学校生活,家庭の社会経済的状況をとらえた2時点のパネル調査を行い,パネルデータセットを構築する.そして(2)イメージの変化,高校の影響,社会経済的状態の変化およびその相互の影響関係に注目した因果分析から,教育期待の社会経済的格差が生じるメカニズムを明らかにすることを目的とする.調査は調査会社のモニタに対する郵送調査であり,サンプリングは割当法(性別,都道府県,人口規模)を用いた.調査票の作成にあたっては,研究代表者自身の研究目的遂行だけではなく,幅広い視点を取り入れた分析の可能性を考え,共同研究者を募り,研究会を組織した.そして,研究会の協力のもとで,調査票を作成した. 中学生と母親の合計4,117ペアに調査票を郵送し,2016年1月までに,合計1,859ペアから調査票を回収することができた.そのうち有効回収は1,854ペアであった.よって有効回収率は,45.0%となった.データ納品後に,研究会メンバーで職業コーディングや学校コーディングなどの作業を行った. 調査の設計や目的については,ディスカッション・ペーパーとしてまとめた.そこでは,調査の目的と背景を説明した上で,調査の設計を示した.そして,回収率を示し,回収に影響を与える要因を検討した上で,有効回収サンプルの属性について,2011年に内閣府が行った中学3年生と保護者を対象とした調査との比較から検討した.
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