研究実績の概要 |
本研究では,動的幾何ソフトウェアを活用した協働型探究活動に着目し,その活動を促進するための教材系列を開発すること,そして,中学校で教授実験を実施し,その結果の分析を通じて,開発した教材系列の有効性を明らかにすることを目的としている。 本年度は,まず前年度に引き続き,これまでに実施した予備調査の分析を行った。次に,予備調査の結果を踏まえながら,中学校数学科第三学年の単元「円周角と中心角の関係の活用」において教材系列の開発を行った。そして,長野県内の公立中学校2クラス,本学の附属中学校2クラスで,各3時間の実践授業を行った。その結果,教師の導きの下,生徒が動的幾何ソフトウェアを活用しながら証明と論駁の活動を通じて数学的知識(円に内接する四角形の性質)を生成する様子が観察され,本研究で開発した教材系列の有効性が示された。 上述の研究活動と並行して,第42回国際数学教育心理学会(PME42, The 42nd Conference of the International Group for the Psychology of Mathematics Education),第11回ヨーロッパ数学教育学会(CERME11, The 11th Congress of European Research in Mathematics Education),国際シンポジウム「数学と実践:歴史的,哲学的,教育学的展望」(Mathematics and practice: Historical, philosophical, and educational perspectives)において研究成果の発表を行った。
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