研究課題
本研究者らは、発達障害のうち、不注意や多動・衝動性といった特異性を有する注意欠陥・多動性障害(ADHD)児の重症度を、脳機能計測を用いて定量化する手法を考案し、国際特許(米国)を出願査定済である。そして、ADHDのバイオマーカーの探索のため、抑制課題遂行中の行動及び前頭葉脳血流動態に機械学習を適用して診断予測精度を検討した。検証のために東京都、鳥取県、福岡県、山梨県の共同研究機関から取得したADHD児170例、定型発達児145例のデータを用いた。その結果、感度88.7%、特異度83.8%、受信者操作特性(ROC)曲線下面積0.90の精度が得られた。これらの結果から、機械学習を適用した抑制課題の評価法はADHD児の診断補助として有用性が高いことが示された。本研究手法によって、ADHDの診断が完全に自動化されるものではない。診断のため小児科、小児神経科など臨床医の緻密な問診や観察、診察はこれまでどおり必須である。しかしながら診断補助手段として、これまでにない客観的で高感度なADHDの診断予測が可能となった。本成果により、ADHD診断に際しての専門機関、養育者およびお子様本人への負担が大きく軽減され、早期発見から早期治療につながる道筋を促進させることが期待される。この研究成果は、英国の国際科学雑誌「Journal of Attention Disorders」のオンライン版で、日本時間2017年11月20日午後10時に掲載された。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Attention Disorders
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10.1177/1087054717740632