研究課題
前年度までに、擬１次元カーボンナノチューブ中に0次元様の状態を有する0次元-１次元複合化カーボンナノチューブにおいて、当初予想していなかった新たな光現象「アップコンバージョン発光」の発現と、そのバイオイメージング応用の可能性を見出し、マウス生体組織に導入されたカーボンナノチューブのアップコンバージョン発光イメージングと分光計測を行い、自家蛍光の影響が極めて少ない高コントラスト発光イメージングが可能であることが明らかとなった。そこで、最終年度はこの研究をさらに進めて、生きたマウスの尾部から生体適合化した0次元-１次元複合化カーボンナノチューブを注入し、近赤外光領域のアップコンバージョン発光のメリットである生体透過性の高さを最大限に生かした、生体の深部の臓器や血管のイメージングが可能であるかどうかの検証を進めた。その結果、実際に、ほぼ生体組織の自家蛍光の影響を受けずに、マウス体内の臓器や血管の造影が可能であることを実証することができた。さらに、照射光強度などの各種実験パラメータと装置構造の最適化により、マウス体内を0次元-１次元複合化カーボンナノチューブが巡る様子のリアルタイム動画撮影についても実現することができた。もう１つの研究対象物質系である原子層ナノ物質の人工積層構造における新奇創発物性については、グラフェン上に、単層遷移金属ダイカルコゲナイドを位置決めをして積層することで、ファンデルワールスヘテロ構造と呼ばれる人工積層構造を作製し、積層部分と積層しない部分の光学特性を比較したところ、単層遷移金属ダイカルコゲナイドのキャリア密度や偏光発光特性の大きな変調が生じることが明らかとなった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件)
Nature Communications
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