研究課題
申請者らが開発をしてきた大気圧下で大面積に亘り均一で原子レベルで高品質な機能膜を策せ出来る「ミストCVD」は、環境負荷を減らせる次世代技術として期待されている。本研究ではA. 酸化物量子デバイス作製への挑戦と、B. 高度な反応制御技術の挑戦的開発の両側面から、産業化に足るレベルまで技術レベルを向上させる事が目的である。A. 酸化物量子デバイス作製への挑戦昨年度量子井戸(3[AlGaO/GaO]AlGaO/c-sapp.)を形成したところ深紫外領域(4.9 eV)からの発光に成功したため本年度は、発光強度を増加させるにはどのようにするのが良いのか調査した。成膜条件や構造など複数の条件について調査してみたが顕著に発光強度が変化する条件を見出せなかった。一方表面状態を調査したところどのサンプルも表面荒さが数nm程度有り、量子井戸が面内で欠損していることが考えられた。またサンプル表面に円形の構造物が確認され、この数が多いほど発光強度が強い傾向があることが判明した。この円形構造物の形成メカニズムは現在調査中であるが、中心にある核が形成要因ではないかと考えている。この形成核は塩素分が多いことが調査の結果判明した。B. 高度な反応制御技術の挑戦的開発ミスト流を扱うミストCVDでは複雑な反応を抑制でき膜内組成制御に利点がある事を理論的に予測し、ZnMgO薄膜の形成において実証した。またミストCVDでは反応場が溶媒雰囲気になっていることから不活性ガス雰囲気下での反応と異なる反応が進行していると考えられる。そこでTG-DTA装置を溶媒雰囲気下で運転できるように改良し、さしあたって水蒸気雰囲気下で出発原料の反応過程がどのように変化するか調査したところ、水蒸気供給により酸化反応の温度が低下していることが見出された。またNH3雰囲気下では熱分解及び酸化反応温度に変化がない兆候を確認した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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