極性を持つ物質で発現するバルク光起電力効果は、高効率太陽電池を実現する新しい光電変換の原理となる可能性を有する。本研究では、本来極性を持たないモット絶縁体であるLaFeO3を他の絶縁体と接合させることで、接合界面の極性不整合に誘起された自発分極を発現させることに成功した。自発分極の存在によって、光電流の符号が膜厚や界面の終端面によって変化するという異常な光起電力効果が発現することを明らかにした。また、分極が誘起されたLaFeO3接合では、極性のないモット絶縁体接合に比べて光電流発生に寄与する活性層が厚くなり、光電変換性能が向上することを示した。
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