近年、X線自由電子レーザー(XFEL)が開発され、新しいサイエンスが開拓されている。しかし、より挑戦的な研究のためには更なる出力の増大が求められている。本研究では、高強度の光学レーザーにより生成された高速電子が作り出す内殻電離状態の原子を利用したXFELの増幅を実証した。銅のフォイルがゲイン媒質として利用され、チタンサファイヤレーザーを照射して高速電子を生成した。XFELの光子エネルギーは銅のKa線と同じ8.05keVであった。シングルショットスペクトル計測において、8.05keVに鋭いピークが観測され、XFELと同じ発散角をもっていた。これらの結果から、X線増幅に成功したと結論付けた。
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