研究課題/領域番号 |
15H05445
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
道村 唯太 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80747006)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ローレンツ不変性 / 異方性 / 光共振器 / レーザー / 干渉計 / 相対性理論 / 拡張標準理論 / 対称性 |
研究実績の概要 |
本研究では、光速の行き帰りの差をδc/cで1e-20の精度で測定することにより、世界最高精度での光速の異方性探査を行うことである。測定にはシリコンを入れた非対称光リング共振器を用いる。非対称光リング共振器の反時計回りの共振周波数と時計回りの共振周波数は光速の行き帰りの差が存在するとずれるため、その差を測定するのである。 我々はこれまで、簡易な真空容器と回転系、モノリシックではない光学系を用いて、1e-15レベルでの異方性探査を行ってきた。これは奇パリティ実験としては世界最高精度であるが、現在の精度は回転に伴う振動雑音で制限されていた。 そこで2015年度は、光学系の振動感度低減のために、光学素子を板の上に一体で接着することで同相雑音除去を効かせるモノリシック光学系の製作に向けた開発を行った。モノリシック光学系の設計開発の第一段階として、金属製のセミモノリシック光学系を製作した。これにより、光学素子の接着手順の検討ができた。この光学系を真空容器に入れての性能評価や制御実験を行い、光学系の設計確認ができた。 また、これまでは信号取得と電源供給のためのケーブルのねじれを避けるために実現できていなかった一方向への連続回転を実現した。このために、スリップリングを用いた電源供給や、無線で操作やデータ取得ができるデータ収集システムの導入、小型レーザーとその無線操作システムの導入と小型制御回路の製作を行った。
なお、異方性探査のこれまでの研究と今後の研究計画をまとめた研究代表者の博士論文と関連論文により、2016年日本物理学会若手奨励賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2015年度の当初の目標は真空装置の準備と連続回転システムの製作と評価であった。また、振動感度の低いモノリシック光学系の設計を進めることとも目標としていた。これらの目標は当初の予定通り達成することができた。また、モノリシック光学系の設計については、実際に金属製ではあるがプロトタイプを製作することができ、その性能評価や光学系の設計の確認までできたため、当初の計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度に連続回転系の製作と性能評価ができたが、その結果電源周りが原因と思われる、回転に同期した雑音が出ることがわかった。また、新たに製作した制御回路の雑音が大きいことがわかった。そこで、2016年度はこれらの見直しをすることで雑音の低減を行う。また、ガラス製のモノリシック光学系の製作も進める。
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