本研究では,低温において,コーティング熱雑音の直接測定を高精度かつ迅速に行える装置の開発を行ってきた。重力波初観測以来、重力波天文学は急速な発展を遂げているが、さらなる検出器感度の向上を目指すためには,100Hz 付近において感度を制限しているコーティング熱雑音を低減させる必要がある。KAGRAのような低温検出器で使えるコーティングを選定するために,本研究では低温光共振器を用いたコーティング熱雑音測定装置の開発を進めてきた。振動による弾性変形のシミュレーションや,光学設計最適による装置設計を行った。また,低温クライオスタットの構築,単結晶シリコン共振器の製作,入射光学系の構築などを完了した。
|