本研究ではSrTiO3(001)基板(STO)の表面超構造と、その上に成長させた単一ユニットセルFeSeの超伝導特性の関係を走査トンネル顕微鏡/分光測定を用いて調べた。反射高速電子回折観察を行いながらSTO基板の加熱温度を変化させることで、STOの表面超構造を2×1と√2×√2に作り分けることに成功した。さらにこの表面超構造が、上に成長させたFeSeを介して観察できることがわかり、超伝導ギャップの大きさが超構造に依存している( 2×1 上では10-15 meVで、√2×√2では15-17.5 meV)ことを世界で初めて観測した。この起源はSTO基板の終端面に関連していると思われる。
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