研究課題
本研究は、偏光制御された超短光パルスを磁性体に照射することで、逆ファラデー効果、逆コットン・ムートン効果などの逆磁気光学効果によって、より高い自由度で超高速にコヒーレント磁化制御することを目的とする。本年度は、マルチフェロイック物質の六方晶マンガン酸化物において、直線偏光(逆コットン・ムートン効果)と円偏光(逆ファラデー効果)を用いたマグノン励起と、それをファラデー効果、コットン・ムートン効果、磁気非線形光学効果を用いた多角的なプローブを行った。磁気非線形光学効果によるマグノンの時間分解測定は、これまでほとんど例がない。マグノンの緩和定数の強い温度依存性が観測され、緩和過程に関する考察を行った。また、光で励起されたスピン波(静磁波)が空気ギャップを乗り越えて透過する現象を実験・計算の両面から研究を行った。その結果、スピン波エヴァネッセント波として理解できることを解明した。フェムト秒光パルスを用いたスピン励起は、インパルシブ誘導ラマン散乱に基づく。したがって、同じ機構に基づく自発的ラマン散乱を測定し、インパルシブ誘導ラマン散乱と比較することで、周波数空間・時間空間からの多角的アプローチが可能になる。そこで自発的ラマン散乱測定装置を立ち上げ、マルチフェロイック物質等の測定を行い、偏光依存性を詳細に解析した。その結果、これまでに報告されていなかった偏光依存性を見出し、磁気秩序との関連性を考察した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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