研究課題
ヘッジホッグと呼ばれる3次元トポロジカルスピン構造を実現し、実空間におけるベリー位相の効果から、固体中に実効的なモノポール場を創成する。また、モノポール場に起因した電磁気応答を観測することが本研究の目的である。特にモノポール場の動的特性に注目し、固有の物性を探索・制御し、特有の機能創出へ繋げる。昨年度までに、ヘッジホッグ格子磁気構造の直接観測、モノポール場のダイナミクスに由来した電気伝導や弾性特性の異常な振舞いの検出、モノポール流の存在の理論的予測、元素ドーピングによる一連の関連物質の合成によるトポロジカルな磁気構造の発現条件の提唱といった本研究計画の大枠を達成できた。その結果を踏まえ本年度は、モノポール場の制御とダイナミクスを利用した機能創成に取組んだ。具体的には磁気異方性を薄膜作製によって変調し、次元性の異なるトポロジカル磁気構造の形成することに成功した。特に中性子回折法によってその直接観測に成功し、強烈な動的特性を示すモノポールの対消滅過程を引き起こす磁場の大きさを磁気異方性によってコントロールできることを明らかにした。さらに、対消滅過程に伴い大きな熱電効果が誘起される可能性を実験的に示し、熱エネルギー利用という機能開拓を提唱できた。本研究課題において得られた結果は、学会発表や論文出版で情報発信でき、特に本年度掲載された論文は4報ある(内2報が今年度得られた成果、2報が昨年度得られた成果)。トポロジカルスピン構造を用いた創発電磁場の学理に新たな裾野を広げることが出来た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Advanced Materials
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1002/adma.201603227
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http://www.cmr.t.u-tokyo.ac.jp/members/kanazawa.shtml