研究実績の概要 |
本課題の目的は、地球形成期におけるマントルの全球的溶融イベントである巨大衝突後に起こるマグマオーシャン冷却固化プロセス、即ち刻一刻と変化するマグマオーシャンの組成と晶出相関係を高圧高温再現実験によって解き明かすことである。 本課題の遂行にあたって、2重エネルギーX線を用いた高圧その場化学ラミノグラフィー法を開発し、融解相関係の決定に取り組んだ。一方、この技術が超高圧変形実験にも応用可能である点を見出し、新たな装置開発に取り組んだ。結晶化していくマントルのダイナミクスの理解には、超高圧下でのマントル物質のレオロジー的性質の理解が必要不可欠であり、全マントル圧力で超高圧変形実験が可能な試験機の開発が求められていた。 本課題では、結晶化していくマグマオーシャンの組成進化とダイナミクスを全マントル圧力(135 GPaまで)で明らかにするための土台的技術の開発に成功した(Nomura and Uesugi, 2016; Nomura et al., 2017; Azuma, Nomura et al., 2018)。
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