研究課題
平成27年度は、好気的環境の東部インド洋において、N2O 関連化合物の窒素同位体・同位体分子種比、硝化・硝化菌脱窒速度測定用の試料の採取を行った。海洋研究開発機構の海洋地球研究船「みらい」の平成27年12月~平成28年1月に行われたMR15-05-leg2の東部インド洋の航海に参加し、N2O、硝酸、亜硝酸、DON、植物プランクトンの窒素同位体比測定用試料の採取と、硝化・硝化菌脱窒速度測定用の船上培養を行った。本年度は、同位体分析を補助する支援スタッフを雇用し、脱窒菌法(Sigman et al., 2001)と同位体質量分析計を組み合わせた、硝酸の窒素同位体比測定を開始した。硝酸の同位体比測定は、順調に行われ、東部インド洋の航海で得られた、硝酸同位体比と硝化速度についても、現在分析が進んでいる。また、本航海で得られた懸濁粒子からセルソーターを用いて植物プランクトンを分取し、超高感度元素分析計‐質量分析計を用いて、植物プランクトンの窒素同位体比を測定した。N2O同位体・同位体分子種比と、硝化・硝化菌脱窒によるN2O生成速度については、硝酸同位体比測定が終了し次第、行う。モデル開発については、前年度までボックスモデルだったYoshikawa et al. (2016)のN2Oモデルを、本年度は鉛直一次元に拡張した。本年度に採取した試料の分析が完了したのち、得られたデータをもとに同モデルをインド洋東部へ適用する。
2: おおむね順調に進展している
東部インド洋の航海は、当初の予定通り行えた。同位体分析を補助する支援スタッフも、当初の予定通り雇用でき、分析も順調に進んでいる。
概ね順調に進展しているので、今後も当初の予定通りに海洋観測とモデル開発を行う。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Journal of Oceanography
巻: K2S1 project ページ: 1-18
10.1007/s10872-015-0308-2
Global Biogeochemical Cycles
巻: 29(7) ページ: 1014-1027
10.1002/2014GB004977