研究課題
平成28年度は、好気的環境である西部北太平洋と、一部嫌気的環境を含むの南部チリ沖において、観測とN2O関連化合物の同位体・同位体分子種比測定用試料の採取を行った。海洋研究開発機構の東北海洋生態系調査研究船「新青丸」の平成28年7月に行われたKS-16-8の西部北太平洋亜熱帯域の航海、海洋研究開発機構の深海潜水調査船支援母船「よこすか」の平成28年11月に行われたYK16-16の西部北太平洋亜寒帯域の航海、海洋研究開発機構の海洋地球研究船「みらい」の平成29年1月から平成29年2月に行われたMR16-09-leg2の南部チリ沖の航海に参加し、N2O、硝酸、植物プランクトンの窒素同位体比測定試料の採取を行った。前年度から開始した、脱窒菌法(Sigman et al., 2001)と同位体質量分析計を組み合わせた、硝酸の窒素同位体比測定は軌道にのり、前年度までに北太平洋亜寒帯域・東部インド洋の航海で得られた試料について、硝酸同位体比と硝化速度の測定を行った。また、北太平洋亜寒帯域・東部インド洋の航海で得られた懸濁粒子から、セルソーターを用いて植物プランクトンを分取し、超高感度元素分析計‐質量分析計を用いて、植物プランクトンの窒素同位体比を測定した。さらに、前年度に鉛直一次元に拡張したYoshikawa et al. (2016)のN2Oモデルについて、本年度は、前年度までに得られた硝化速度の実測値をもとに、硝化プロセスの改良を行った。
2: おおむね順調に進展している
チリ沖の航海は、当初の予定通り行った。N2Oの同位体測定は、当初の予定から若干遅れているが、硝酸同位体と硝化速度、植物プランクトンの同位体測定は、当初の予定通り進んでいる。
概ね順調に測定でき、データはそろいつつあるので、今後は得られたデータの論文化と、モデルの改良・拡張を重点的に行う予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
化学と教育
巻: 64 ページ: 178 - 179
10.20665/kakyoshi.64.4_178
月刊海洋
巻: 48 ページ: 302 - 308