研究課題
グラフェンはよく電気を通す2次元シート材料として様々な分野で研究が盛んに行われている。本研究では、この2次元グラフェンシートに3次元構造を持たせて様々な3次元デバイスを通して3次元構造を持つグラフェンシートの基礎的な物性の理解を目的とした。最終年度では、3次元グラフェンデバイスの開発およびそれらの基礎物性の解釈および得られた物性に基づいた機能性材料の開発およびその性能を調査した。具体的には、曲率半径が25~50ナノメートル、100~300ナノメートル、500~1000ナノメートルを有する多孔質グラフェンの物性測定を行い、それらの基礎的な物性を明らかにすると共にその基礎物性を活用できるようなデバイス作製を目指し、以下の研究を遂行した。(1)ランダムな多孔質構造を運動する磁場中の電子は円柱を運動する準古典モデルで記述することによりその電子易動度の運動モデルを近似的に記述することに成功した。これにより多孔質構造を持つ物質の電子易動度の算出が可能となった。(2)イタリアのローマ・ラ・サピエンツァ大学との国際共同研究を行い、テラヘルツ光を用いたグラフェン表面に誘起されるプラズモン現象の解明、および、幾何学形状と化学ドープの関係性などをラマン分光法や光電子分光法による電子状態密度解析などを行うことで基礎的な物性についての理解を深めた。(3)これらの明らかにされた物性に基づいて3次元グラフェンを用いた機能性材料の開発を行い、例えばグラフェンの高い電気伝導性や化学安定性を使った電極触媒の開発にも成功した。本研究の過程で3次元グラフェンは基礎物性が優れていることから様々なデバイスに応用できることがわかった。今後は更なるデバイス開発を進める予定である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (5件)
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