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2015 年度 実績報告書

翻訳段階における遺伝情報変換

研究課題

研究課題/領域番号 15H05491
研究機関名古屋大学

研究代表者

萩原 伸也  名古屋大学, 理学研究科(WPI), 特任准教授 (80373348)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード遺伝情報変換
研究実績の概要

アミノグリコシド系抗生剤は、リボソームに結合して翻訳の正確性を低下させ、mRNAのコドン情報と異なるアミノ酸を取り込ませることで抗生作用を示す。本研究ではこの作用を遺伝情報の変換と捉え、リボソーム結合性分子を用いた新規遺伝子治療法の開発を目指している。アミノグリコシドの作用は特定のコドンに対して特異的に起こるのではないため、ランダムに変異の入ったタンパク質が合成される。従って、効果の強いAGほど細胞毒性も強い。また、十分な効果を得るためには高い投与量が必要で、これが副作用(腎毒性、耳毒性)の原因となっている。このような背景から、本年度はアミノグリコシドに代わる新規リボソーム結合性分子の探索を行った。
リボソーム結合性分子の探索に向け、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いた競合アッセイによるハイスループットスクリーニングを実施した。アミノグリコシドの一つであるパロモマイシンを固定化したSPRセンサーに対し、アミノグリコシド結合配列を持つモデルRNAをインジェクトすると、結合によるレスポンスの上昇が見られる。ここにリボソーム結合性分子が共存させると結合の競合によりレスポンスが減少する。この手法を用いて2000化合物のリボソーム結合性を評価したところ、5個のヒット化合物が得られた。このうち一つは、真核生物のリボソームには結合せず、原核生物のリボソームに対して選択的に結合した。さらにこの化合物は大腸菌リボソームの翻訳阻害活性を示したことから、新規抗生物質としての応用が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の全体構想において鍵となる新規分子の取得に成功した。

今後の研究の推進方策

新規リボソーム結合性分子の探索を推進するとともに、得られた分子を用いた塩基配列選択的な遺伝情報変換の実現を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Probing strigolactone receptors in Striga hermonthica with fluorescence2015

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Tsuchiya, Masahiko Yoshimura, Yoshikatsu Sato, Keiko Kuwata, Shigeo Toh, Duncan Holbrook-Smith, Hua Zhang, Peter McCourt, Kenichiro Itami, Toshinori Kinoshita, Shinya Hagihara
    • 雑誌名

      Science

      巻: 349 ページ: 864-868

    • DOI

      10.1126/science.aab3831

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 新規リボソーム結合性分子の探索2015

    • 著者名/発表者名
      山下隼・萩原伸也・佐藤綾人・野元美佳・多田安臣・伊丹健一郎
    • 学会等名
      第9回バイオ関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-12
  • [学会発表] 新規翻訳制御分子の探索に向けたスクリーニング法の開発2015

    • 著者名/発表者名
      山下隼・佐藤綾人・野元美佳・多田安臣・伊丹健一郎・萩原伸也
    • 学会等名
      第3回バイオ関連化学シンポジウム若手フォーラム
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2015-09-09 – 2015-09-09

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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