細胞には膨大な種類の酵素が存在しており、それぞれが特定の化学反応を触媒する。個々の化学反応が相互に連結し共役することで、物質やエネルギーの代謝がおこなわれ、生命が維持されている。このような連携した化学反応を試験管で構築できれば、単純に数種類の酵素を混ぜ合わせただけでは達成できない高効率な物質変換システムになると期待される。その代表例の一つは、光を利用して物質を創る光合成システムである。本研究では、DNAナノ構造体を足場として、我々が開発したモジュール型アダプターを利用してDNAナノ構造体上に複数種類の酵素を配置し、高効率な多段階反応を実現するDNAナノリアクターの開発をおこなった。
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