研究課題/領域番号 |
15H05493
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研究機関 | 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
神谷 厚輝 公益財団法人神奈川科学技術アカデミー, 人工細胞膜システムグループ, 研究員 (70612315)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | リポソーム / 膜タンパク質 / リン脂質非対称膜 / ベシクル / 無細胞タンパク質合成系 / 人工細胞モデル |
研究実績の概要 |
本研究ではリン脂質非対称膜リポソームを用い、人工トランスロコン構築を目的とする。申請者が考案したジェット法によって作製された、リン脂質非対称膜リポソームによりリン脂質の様々な相互作用観察に成功している。無細胞タンパク質合成系で発現された膜タンパク質の人工細胞膜への再構成挙動の観察を行った。ある膜タンパク質の場合、外膜に負電荷をもつリン脂質非対称膜リポソームでは、膜タンパク質の取込みが増加した。また、一定濃度以上の負電荷リン脂質が含まれるリン脂質非対称膜リポソームで、膜タンパク質の取込みが増大することが分かりました。また、この膜タンパク質はナノポアを形成することが知られているので、膜タンパク質を再構成したリポソームの内水層から外水層への蛍光輸送を観察した。膜タンパク質の人工膜への再構成量に比例し、リポソーム内の蛍光量が減少したところから、人工膜に再構成されたこの膜タンパク質はナノポアを形成していることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リン脂質非対称膜リポソームにおいて、膜タンパク質の再構成量の制御の可能性が示唆される結果を得たため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、リン脂質の種類や膜流動性を変化させ膜タンパク質の再構成量を検討する。また、再構成された膜タンパク質の配向性の確認を行う。さらに、様々な膜タンパク質(膜貫通数の違い、電荷の違い)での再構成挙動の観察を行う。
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