研究実績の概要 |
プロジェクト最終年度であるH29年度は,self-foldingによる3次元構造構築と構築した複合材料を用いた応用として,ソフトアクチュエータの研究を行った. 具体的には,H28に研究開発を行った温度/pH刺激応答性ゲルNIPAM-co-AAcによるマイクロプリング構造を用い,内部の刺激応答性ゲルの配置を流体のパターンを変化させることにより変化させた.刺激応答性部にはNIPAM-co-AAcとアルギン酸ナトリウムの混合ポリマー,非刺激応答性部にはアルギン酸プロピレングリコールポリマーを用い,マイクロ流体デバイスを用いて層流を形成して塩化カルシウム溶液内に射出した.このプロセスにより形成された刺激応答性ゲルファイバを加熱することで,刺激応答性部の伸縮に応じ,多様な動作およびself-foldingをするマイクロゲルファイバ構造体の実現に成功した.特に,刺激応答性部の場所を工夫することにより,刺激応答性ゲル部が収縮するが,ゲルファイバ構造体は逆に大きさを拡大する構造を実現し,self-foldingにより本来素材がもつ挙動とは異なる動作をマイクロゲルファイバ構造により達成した. この研究内容は,国際学会での招待講演(MHS 2017, VSJE2017)で2件,国際学会(MEMS2018)での発表で1件をはじめ,国内学会(日本機械学会)他で発表した.また,書籍のチャプターとして2件発刊し,現在国際学術誌Sensors and Actuators: B-chemicalにおいて査読・修正中である.
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