スピントロニクスの原理を利用することで超低消費電力な集積回路を実現できる。電流誘起磁壁移動はスピントロニクス関連現象の一つであり、超低消費電力集積回路を実現するスピントロニクス素子の動作原理として利用できる。応用上はスピントロニクス素子の性能を維持しながら、あるいは向上させながら素子のサイズを微細化できることが望ましい。本研究は、10 nm程度の究極の微細世代においても優れた特性を実現できる電流誘起磁壁移動を利用したスピントロニクス素子の設計指針を実験で明らかにし、かつ現在の2次元的なデバイス構造から飛躍し、3次元的な構造の実現への見通しをつけたものである。
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